August 2020

August 30, 2020

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 この映画のスティーブ・マックイーンがバイクにまたがって走るシーンは映画史の金字塔だ。

 爽快で痛快、自由というものがそのバイクの疾走する先に、まるで形を持ってあるように描かれた。



 「脱走モノ」というくくりを映画ジャンルにするのはあまり好ましいとは思わない。

 脱走するにはそれぞれ理由があるからだ。


 負けないため、生き残るため、反抗のため、自由のため、勝利のため、不正に抗うため。

 カネのため、家族のため、自分のため、友人のため、歴史のため、立場のため。


 それは収容所であり軍事施設であり、刑務所であり、修道院であり、精神病棟であり、前線であり、医療施設であり、罠であり、そして未来や過去でもある。



 だから、「脱走劇」というものではなく、屈することがないかどうか、目的のためかどうか。そんなところに焦点があった方がいいような気がするのだ。



 

 今現在もどこかで、理由なく囚われている人々へ。

 

(16:04)

August 27, 2020

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 ロバート・デニーロとメリル・ストリープ主演。

 ニューヨークからの郊外への電車、それが妙に印象に残るラブストーリーだ。

 切ない恋をズルいほど巧妙に描いた映画だ。

 デニーロの演技もそんなキョドった、人を切なくさせるようなものだ。

 今、第一線の役者で、似たような演技を得意としている人を挙げるとしいたらアナケン、アナ・ケンドリックだろう。

 一見の値打ちがある人だ。

 こういう人の心をキュッと締め付けるような演技はあまり難しくないと思うのだがやれる人は少ない。

 惨めさでもなくて、恥じらいでもなく、どこか踏み出せない躊躇する痛々しさ。





  メリル・ストリープというのは昔から意外に美女だと思っていた。

 特徴がある顔というのは実は美女なのだ。頭に印象に残ってその面影がいつまでも離れない。


 昔、お見合いをして、まるでメリルのようなタイプの女性と知り合った。

 そしてこの映画のようないじましい表情にぞっこんになった。


 弁護士資格のための勉強中で、学業を優先させたいといっていて、それを邪魔しないかどうか悩んだ。

 結局、「あそこの喫茶店に来てくれ。できればこない方がいい、来なくてもいい、そしたら諦める」なんて、まるでこんな映画に影響されたようなカッコをつけて、結局、その恋は破れた。

 今は資格としての弁護士はボロボロだから、あの時、結ばれていたらと思ったりもする。

 達者にやっているだろうか。



 一方のメリルはすっかり老婆となり、クズを晒している。すっかり嫌になった。

 こんな映画のような儚い恋心など無縁の図々しい偽善者ぶりを隠さなくなった。

 大統領選でトランプの真似をするというエゲつなさを全開させ、友人のクリントイーストウッドがトランプ支持と聞くと、まるで新興宗教のように「教えてあげなくちゃ」と言った。

 オバマと面会して喜んでいたが、黒人が警官に問答無用で撃ち殺されていた時、ダンスパーティーに興じていた現職の大統領はそのオバマだ。

 間違っているのはお前の方だ。

 アメリカはヒラリーやオバマ、クズどもリベラルの偽善によって分断されている。

 人は歳を取る、醜くも、美しくも。




 

(20:45)

August 26, 2020

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 この映画をまだここに入れてなかったとは。

 まさしく失態だ(笑)。


 悪党側の話だが、ベートーベンの第五とともに金庫が開くシーンは何度見ても涙が出る。



 巻き込まれ型の格闘アクション。

 あまりに評判が良かったからか、クリスマス舞台が定番になりそうになった。

 確かにクリスマスの痛快アクション映画なんてサンタもびっくりのプレゼントだ。


 その後何作も続編が作られたが、他の映画にも出たというのは考えてみれば異色だ。

 昔はキャラが固まると苦労してしまうものだったから、それは新しい時代ということなんだろう。




 ブルースはいい奴を絵に描いたような男。

 昔は「こちらブルームーン探偵社」なんて、一歩間違えば昼メロタレント街道行きだった。


 演技も体当たりでよく覚え、キャラが立った。

 この人の魅力は何しろその声だ。 女性は男の声にシビれてしまうもの。

 傷つき、弱り、困惑し、それでも切り開いてゆこうとするのがヒーローだ。圧倒的ではいけない。迷いがあってもいけない。単純明快。

 ヒーローとはかくあるものだと思う。そしてそれは街のどこにでもいる。

 彼の不貞腐れたような声は、まさにヒーローにうってつけだ。




 それにしても、ついこの前のことだと思っていたら、随分と時間が経ったものだ。

 懐かしいとはとても言いたくないぐらい新しく感じてしまう。

 いったいこの映画の時から、我々はどれだけ危機や危険を乗り越えてきたことだろう。

 現実も映画のようなものだ。それほど変わらない。違いは死んでしまえば続きは見れないということだ。


 決して諦めるな、ベストを尽くせ。今でもこいつのガッツは目に染みる。



 

 予告編、この最初にチラりと映る美しい尻はまるで記憶にない。

 もったいない。素晴らしいヒップだ。こんな尻に迎えられるクリスマス休暇は素晴らしい、そんな表現か。





(19:12)